作品を読んでくださる方・ご依頼を
ご検討いただいている方へお願い。
私の作品では、「性」に関することや、精神的に不安定とされる人々を描くことがあります。
私がこのような題材を扱うのは、人間の心に向き合って、心の揺れを描くためです。
「恋愛」や「性的な関係性」に関する物語を描いていますが、これは私の表現したいことの全てではありません。
「メンヘラ」「こじらせ」という言葉で一括りにすることは、物語とそこに登場する人たち、そして、現実に存在する同じような悩みを持つ方々への解釈を、貧しくさせてしまうと思っています。
現実世界では、心に傷を負ったまま、それでも何とか生きていかないといけません。
全ての人が、心の傷に誠実に向き合えるわけでも、適切なケアを受けて、正しい回復の道を歩んでいけるわけでもありません。
回復のプロセスで、攻撃的になってしまったり、依存的になってしまったり、間違った道に進んでしまうこともあるかもしれません。
私は、そういう人たちの心を描きたいと思っています。
「理解し難い」とされてしまう人たちの心を描くことで、救われる人がいるかもしれないからです。
決して、批判をしたいわけでも、「ネタ」として誇張したり、物語を動かすための装置として描きたいわけでもありません。
見えていないようで、当たり前に存在している人たちとして描いています。
また、私個人の経験や人格と、作品や登場人物を結びつけて語ることも、ご遠慮いただければと思います。
長年、一部の方による、私や作中人物への人格攻撃や、性的なからかいなどに苦しんできました。
扱っている題材的に、「仕方がないこと」として耐えてきましたが、作家としてそういった扱いを容認してきたわけではなく、今後も受け入れるつもりはありません。
私は、誰かの気持ちに寄り添ったり、考えるきっかけになってほしいという気持ちで作品を描いています。
本当に必要としてくれる人たちへ、作品を届けたいと思っています。
どうか、ご理解いただいた上で、作品を楽しんでいただけましたら幸いです。
我妻ひかり AZUMA Hikari